2022年8月18日木曜日

第188金曜会のお知らせ

 今回の演者はNCIの加藤卓也先生です。

加藤先生は日本で消化器外科医として研鑽を積まれたのち、2019年からNCIの小林久隆先生のラボでポスドクとして光免疫療法の研究に従事しておられます。
光免疫療法はすでに日本でEGFR陽性の再発・転移頭頚部癌を対象に治験が行われておりますが、先生はさらに光免疫療法の適応を他の標的にも広げることを目的にして研究を行ってこられました。
この秋日本に帰国なさるにあたり、帰国前にご講演をお願いいたしました。

ぜひ多くの皆様にご参加いただけますことをお待ちしております。



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第188回 NIH金曜会

講演会:2022年8月19日午後6時よりオンライン開催
    Building 37 4階カンファレンスルーム (Room #4041/4107)
    または
    Webexにて
 
 演者:加藤卓也先生(NCI)
 演題:近赤外光線免疫療法を用いた癌治療 ―新規標的の探索―
 
懇親会:午後8時ごろより Guapo's Restaurantにて

★オンライン参加リンクは申込者のみに送付いたします★
★懇親会はIn personのみの開催です★

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(講演 要旨)
固形癌に対する治療法は手術、化学療法、放射線治療で
したが、宿主の腫瘍免疫を活性化させる“免疫療法”が第4
のがん治療法として加わりました。しかしながら、奏効率の
低さや免疫関連副作用など、まだ克服しなければならない
問題も残されています。癌治療は、癌細胞のみ殺傷し、周
囲の正常組織を傷つけることなく局所の腫瘍免疫を高める
ことと考えられます。このコンセプトのもと、小林久隆先生
の研究室で開発された近赤外線を用いた光免疫療法
(Near-Infrared Photoimmunotherapy: NIR-PIT)は、日本
で再発・転移頭頚部癌に対してEGFR(上皮成長因子受容
体, epidermal growth factor receptor)を標的とした保険
適応治療が開始されています。今後この治療法を様々な
癌に対して応用するために、EGFR以外の新規標的分子を
用いた光免疫療法を当研究室で開発しております。今回は
その一例として①癌細胞と癌関連線維芽細胞を標的とする
治療②骨髄由来免疫抑制細胞(Myeloid-derived
suppressor cells, MDSCs)を標的とする治療の現状と効
果についてお話させて頂きます。

また私は日本では消化器外科医(食道外科)を専門として
いました。手術を専門とする外科医がなぜ基礎研究に興味
をもつことになったのか?外科医が研究を行う必要性があ
るのか?などかなり私見が入りますが、NIHに留学させて
頂くことになった経緯も含めて、お話させて頂きたいと思い
ます。どうぞよろしくお願いします。




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