2022年2月23日水曜日

185回金曜会フライヤー

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第185回オンライン金曜会 
日時:2022年2月25日(金) 午後6時(EST)より

演者1: 島田 姿野 先生 (Visiting Fellow, Medical Genetic Branch, NHGRI) 
「小児期発症の希少難治性神経疾患、診断から治療への橋渡し研究」 

 演者2: 中山 東城 先生 (Research Fellow, Harvard Medical School Boston Children’s Hospital) 
「希少・難治性疾患を治したい -核酸医薬による究極の個別化医療の取り組み-」 

 ★参加登録いただいた方に講演会リンクを送信いたします★ **************************************************************************

講演要旨:

演題1「小児期発症の希少難治性神経疾患、診断から治療への橋渡し研究」

島田 姿野 先生 (Visiting Fellow, Medical Genetic Branch, NHGRI)

先天性神経難病の原因は代謝疾患も含めて多岐にわたります。例えば、ヒトで糖鎖異常が起きると表現型はてんかんや発達遅滞などの神経症状が起こりえますが、多系統で不均一のため診断やその病態の理解に苦慮します。遺伝子型・表現型相関の理解や臨床応用を目指すため、我々は先天性糖鎖異常症(Congenital disorder of glycosylation: CDG)を疑う患者群のコホート研究や遺伝子機能解析、生化学的異常の確認等(グライコミクス解析を含む)を行ってきました。

 私たちは、グライコミクス解析結果で示された、血清のCarbohydrate Deficient TransferrinCDT)のII型グリコシル化パターンを手掛かりに、小胞体からゴルジ体への輸送を制御している、GET4遺伝子の機能異常を明らかにしました。また、MOGS-CDG患者群の臨床像の検討に加えて、最も信頼性の高いスクリーニング検査は、尿中オリゴ糖測定法が最も妥当であると示しました。

 本セミナーでは、日本の未診断疾患イニシアチブ(IRUD)のモデルとなったNIH Undiagnosed Disease Program (UDP)の診断から治療研究への現状や、糖鎖研究に参加した成果、帰国後の神経難病の懸け橋研究への思いをお伝えします。

 

演題2「希少・難治性疾患を治したい -核酸医薬による究極の個別化医療の取り組み-」

中山 東城 先生 (Research Fellow, Harvard Medical School Boston Childrens Hospital)

228日は世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day)です。希少疾患は、その名前に反して決して珍しい病気ではなく、全世界で推定3億人の患者がいるとされています。残念ながら、これらの疾患のうち治療法が存在するのはわずか5%、希少疾病患者の30%は4歳の誕生日を迎えることができません。

 私の所属する研究室では、このような希少疾患に対して、アンチセンスオリゴ核酸医薬を用いた臨床治験研究を行っています。私たちは、2018年、希少難治性疾患の一つである神経セロイドリポフスチン病の6歳女児に、患者固有の遺伝子変異を標的とした患者オーダーメイドの薬を開発しました。患者さんの名前にちなんでMilasenと命名した薬は、FDAの承認を得て開発から10か月後、臨床治験として実際に患者さんに投与を開始し、完全オーダーメイドの創薬と臨床治験が短期間で実現できることを実証しました。私たちは他の希少疾患に対しても同じアプローチができるのではないかと考え、以降、臨床治験を見据えた治療薬開発を展開し、これまで計5例の患者さんに対して臨床治験を行っています。

 本講演では、私たちが核酸医薬を使った個別化臨床治験を進めていく中で見えてきた希望や課題をお話したいと思います。また、このような前例のないプロジェクトを立ち上げるには何が必要なのか、皆さんと一緒に考えることができればと思います。






2022年2月18日金曜日

第185回金曜会のお知らせ

 来週金曜日、2月25日にオンライン金曜会を開催いたしますのでお知らせいたします。


今回は島田姿野 先生 (NHGRI) と中山 東城 先生 (Harvard Medical School Boston Children’s Hospital) のお二人に講演していただきます。
講演の詳細は追ってまたご連絡差し上げます。

多くの方のご参加をお待ちしております!

なお、参加登録をお済ませの方にのみ事前にミーティングのリンクをお送りいたしますので、2日前をめどにお早めに参加登録をよろしくお願いいたします(それ以後のご登録でも出来るだけ対処いたしますが、場合によっては対応が間に合わない可能性もございます)。

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第185回オンライン金曜会

日時:2022年2月25日(金) 午後6時(EST)より

演者1: 島田 姿野 先生 (Visiting Fellow, Medical Genetic Branch, NHGRI)
「小児期発症の希少難治性神経疾患、診断から治療への橋渡し研究」

演者2: 中山 東城 先生 (Research Fellow, Harvard Medical School Boston Children’s Hospital)
希少・難治性疾患を治したい -核酸医薬による究極の個別化医療の取り組み-」

★参加登録いただいた方に講演会リンクを送信いたします★

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2022年2月10日木曜日

第184回金曜会のお知らせ

今回の演者は小田紘嗣先生です。


小田先生は小児科医のバックグラウンドをお持ちで、主に希少遺伝性リウマチ性疾患について研究を続けてこられました。
2016
年よりはNHGRIDaniel L. Kastnerのラボに所属され、各種形態の細胞死がどのように疾患にかかわるのかについて多角的に研究を行っておられます。
この春からドイツのケルン大学でPIになられるということで、NIHを離れられる前に講演いただくこととなりました。

今回は先生がなさってきた研究についてのお話に加え、ドイツでのポスト獲得にまつわるお話もいただく予定です。

多くの方のご参加をお待ちしております!

なお、参加登録をお済ませの方にのみ事前にミーティングのリンクをお送りいたしますので、2日前をめどにお早めに参加登録をよろしくお願いいたします(それ以後のご登録でも出来るだけ対処いたしますが、場合によっては対応が間に合わない可能性もございます)。


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184回オンライン金曜会

日時:2022218() 午後6(EST)より

演者:小田紘嗣先生(NHGRI)

希少遺伝性リウマチ性疾患を通して考える細胞死と炎症

参加登録いただいた方に講演会リンクを送信いたします★

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 講演要旨:
ストレス下において個体の恒常性を保つ目的で、細胞には自殺プログラムとしての細胞死経
路が存在する。近年、古典的細胞死経路である Apoptosis に加えて Necroptosis 、
Pyroptosis など様々な新規の炎症性細胞死が報告され、細胞死経路およびその恒常性
の破綻が生体に及ぼす影響が個体レベル・分子レベルで解明されてきている。しかし、これら
の細胞死研究のほぼ全てがマウスを代表とする動物モデルを用いて行われており、細胞死経
路の破綻がどのようにヒト疾患に寄与するかに関する直接的なエビデンスは存在しなかった。
我々はヒト希少遺伝性リウマチ性疾患である自己炎症性疾患およそ
2000 例において次世
代シークエンサーを用いた大規模遺伝学的解析を行い、 RIPK1 CRIA ( Lalaoui *,
Boyden*, Oda* et al., Nature, 2020) 、 SHARPIN 欠損症 (Oda et al., in
preparation) といった新規疾患概念を確立した。特に、我々は細胞死経路の破綻がこれ
ら患者の自己炎症に及ぼす影響を患者検体およびマウスモデルを用いて詳細に検討するとと
もに、研究結果から導かれた治療方針に基づいて患者の難治性炎症を完全に制御すること
ができた。本セミナーではこれらの成果について解説したい。
またこの春よりドイツで
PI として研究室を立ち上げるにあたり、アメリカとはまた異なる特徴を
持ったヨーロッパでの就職活動に関して、私個人の経験をお伝えしたい。