2024年3月18日月曜日

第215回金曜会のお知らせ

215 金曜会ではNHLBIの向山洋介先生とJSPSワシントンオフィスより、海外特別研究員NIHフェローシップ(海特NIH)(ハイブリッド開催)について紹介していただきます。

 

CVには書かれていない苦労話」と題しました、向山洋介先生とNCIの藤井健夫先生による若手研究者のキャリアパスを踏まえたパネルディスカッションの後、海特NIH応募に関する注意点等をJSPSワシントンオフィスの小松崎佑樹氏よりご説明いただきます。

 

今回のセミナーは、日本人PIとしてNIHで活躍される先生方とキャリア・ディベロップメントについて意見交換する貴重な機会です。海特NIHへの申請を考えている方はもちろん、応募予定の無い方も奮ってご参加ください。

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 215 金曜会(2024329日)

セミナー:午後6時(EDT)より、Building 37, Room 4041/4107 (ハイブリッド)

  演題12024年度JSPS海外特別研究員(NIH)のご案内

    JSPSワシントン研究連絡センター 副センター長 小松崎佑樹

  演題2CVには書かれていない苦労話

   演者:向山洋介 先生(NHLBI)、藤井健夫 先生(NCI

      (パネルディスカッション)

 

懇親会:セミナー終了後 (Rock Bottom Bethesda)

 

*オンライン参加登録された方にのみ講演会のzoomリンクをお送りします。

 

向山先生研究室HP 

https://www.nhlbi.nih.gov/science/stem-cell-and-neurovascular-research

藤井健夫先生研究室HP 

https://ccr.cancer.gov/staff-directory/takeo-fujii

 

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2024年2月21日水曜日

第214回金曜会のお知らせ

 214の演者はNCIでポスドクをされている大原悠紀先生です。このたび5年のNIH留学を終えて帰国されるに当たり、これまでの研究成果とラボでの様々な経験をお話しいただきます。

先生は膵臓癌をターゲットに遺伝子・タンパク質発現レベルの解析と代謝産物レベルの解析を組み合わせる事で、個々の癌を代謝パターンで分類する事を示され、今後のテーラーメード医療への足掛かりとなる成果を上げてこられました。2023-24年にハイレベルなジャーナルに3報を発表されてますが、その裏にはコロナ禍やボスの闘病と逝去など、様々な出来事があった様子です。大原先生のNCIにおける文字通りのサバイバル経験談、是非多くの皆様にお越しいただければと思います。

 

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214回金曜回(202438日)

 

講演会:午後6時より

Building 374階カンファレンスルーム(Room 4041/4107

 

演者:大原悠紀先生(NCI

演題:オミクス解析による膵臓がんの代謝・分子サブタイプの誘導メカニズムの解明 〜閉鎖寸前のラボでのサバイバル〜

 

懇親会:午後8時ごろより、 ( Guapo's Restaurant, Bethesda)

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2024年2月6日火曜日

第213回金曜会のお知らせ

今回の演者はNHLBIPIをされている明楽隆志先生です。先生には2021年のキャリアディベロップメントセミナーにおいてオンラインでお話をいただきましたが、今回はIn Personで先生の研究されておられます卵母細胞の分裂と哺乳類の種分化との関わりについてお話しいただく予定です。もちろん、現在のポジションを得られるまでのアメリカでの就職活動の経験談もお願いしています。これらに加え、アメリカ生活における明楽先生の様々な挑戦についてもお話しいただく予定です。

 

NIHの若手日本人PIの先生と交流できる貴重な機会でもありますので、ぜひ多くの皆様にお越しいただければと思います。

 

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213回金曜会 2024223日(金)

 

講演会:午後6時(EST)より

Building 37, 4階カンファレンスルーム (Room #4041/4107)

 

演者: 明楽 隆志 先生(NHLBI

 

演題:細胞生物学で解き明かす哺乳類の種分化のメカニズム

 

懇親会:午後8時ごろより 

RockBottom Restaurant & Brewery (Bethesda)

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要旨

生殖的隔離は、種分化に中心的な役割を果たす進化の原動力である。一般に、二つの個体群がそれぞれのゲノムに異なる変異を蓄積していくと、ゲノム間に遺伝的な不適合 (genetic incompatibility) が生じ、雑種が致死または不妊になる。これが二つの個体群の間で生殖的隔離が起きる仕組みである。例えば雑種が不妊の場合、減数分裂のプロセスに何らかの不適合が生じていると予測できる。しかし実際に減数分裂のどのステージでどのような遺伝子が不適合を起こしているのかは、明らかになっていないケースが多い。特にメスの減数分裂に注目した先行研究は無かった。そこで私達はマウスモデルを用いてこの謎に立ち向かい、雑種メス不妊が種分化に寄与するメカニズムを明らかにした。
当日は私達の研究内容に加え、9年間のアメリカ生活の間に経験した海外での就職活動、そして宇宙飛行士選抜への挑戦に関してもお話しできればと思っております。

略歴
2014年に東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻にて博士号を取得後、米国ペンシルベニア大学にて博士研究員として勤務。2019年に米国NIHにて研究室を立ち上げ、細胞分裂と進化の研究に明け暮れる。2022-2023年には宇宙飛行士選抜を受験。2024年は新しいモデル生物に挑戦する一年にしたい。






2024年1月5日金曜日

第212回金曜会のお知らせ

 

NIH金曜会の皆様

お正月早々日本からは大地震、それから飛行機事故など衝撃的かつ心痛むニュースが飛び込んで来ていますが、皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。皆様や皆様のご家族ご親戚、ご友人の方々のご無事をお祈り申し上げますとともに、被災された方には心よりお見舞い申し上げます。

このような心落ち着かない中ではありますが、本日は年明け初回の第212回金曜会(ハイブリッド開催)についてご案内させていただきます。


212回金曜会の演者は京都大学放射線生物研究センターの山田真太郎先生です。

山田先生は2013年からニューヨーク・メモリアルスローンケタリングがんセンターで博士研究員をなさり、その後2018年からは京都大学にて有性生殖やがん、老化、遺伝子工学の理解につながるDNAの組換えや修復の分子機構を研究しておられます。今回、メモリアルスローンケタリングがんセンターへの出張に際して、NIHにもお立ち寄りくださることになりました。

ぜひ多くの皆様にお越しいただき、活発な討議をいただけたらと思います。


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212回金曜会 2024119日(金)

講演会:午後6時(EST)よりハイブリッド形式
 - In person参加
  Building 37 4階カンファレンスルーム (Room #4041/4107)
 - オンライン参加
  Webex(リンクは参加登録者のみに送信します)

演者: 山田真太郎先生(京都大学)

演題:ゲノム修復機構の破綻による臓器特異的な発がん機構

懇親会:午後8時ごろより 
TBD (TBD)

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2023年12月8日金曜日

第211回金曜会のお知らせ

 年の瀬が少しずつ迫ってまいりましたが、今回は本年最後、第211回金曜会セミナーのご案内です。

演者はNCI, HIV and AIDS Malignancy Branchの田川嵩展先生です。

田川先生はNIHでの6年間の研究を通して、発癌性ウイルスであるエプスタインバーウイルスやカポジ肉腫ヘルペスウイルスがどのように宿主免疫システムから逃れて生涯に渡り感染し続けられるのかについて研究されています。その中で特にノンコーディングRNAに着目され、ウイルス由来、またヒト由来ノンコーディングRNAの機能解析について数々の成果を挙げられました。今回はNIHでのこれらの成果を概説していただくとともに、2024年2月よりPIとして着任されるエディンバラ大学への就職活動の経験談なども併せてお話しいただく予定です。


また懇親会は忘年会を兼ねて19時よりGuapo'sにて行う予定です。

2023年最後の金曜会です。みなさまお誘い合わせの上、奮ってご参加ください!

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講演会

2023年12月15日午後5時より In person 限定

@Building 37 4階カンファレンスルーム (Room #4041/4107)

演者

 田川 嵩展 先生

 (NCI/NIH)


演題

 Exposing stealth strategies: non-coding RNAs during oncogenic herpesvirus infection

懇親会(忘年会)

 午後7時ごろより @Guapo's (8130 Wisconsin Ave)



第210回金曜会のお知らせ

 今回の演者は岡山大学 分子医化学分野、岡山大学病院 歯科・口腔インプラント科部門の大野充昭先生です。

歯科口腔外科・整形外科領域で非常に重要である骨再生療法における、新しいヒトBMP-2遺伝子組み換えタンパク質 (rhBMP-2)製品の開発経緯、その製品を用いた治験、さらにBMP-2に関する基礎研究についてご講演していただきます。

また大野先生が開発されているシングルセルRNA-sequenceの解析で必須な複雑な解析をRやPythonといった言語を使うことなく解析可能なソフトウエアについても話していただく予定です。

ハイブリッド形式での開催ですが、是非会場まで足をお運びください!

 

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第210回 NIH金曜会 

 

講演会

 2023年12月8日午後6時より

 @Building 37 4階カンファレンスルーム (Room #4041/4107)

 

演者

 大野充昭先生

 (岡山大学 分子医化学分野、岡山大学病院 歯科・口腔インプラント科部門)

 

演題

BMP-2を応用した骨再生研究 -基礎研究から医師主導型治験に至るまで-

+ scRNA-seq解析ソフトウエアの開発

 

懇親会

 午後8時ごろより Rock Bottom (7900 Norfolk Ave)

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2023年11月22日水曜日

209回金曜会のお知らせ

いよいよホリデーシーズンですがいかがお過ごしでしょうか。

今回の演者はジョンズホプキンス大学医学部統合失調症センターの石塚公子先生とYukiko Y. Lema先生です。


同センターでは臨床で出くわす疑問をサイエンスするということを基本姿勢に、統合失調症の病態解明に取り組んでおられます。今回の講演では、臨床現場や患者会といった現場の状況をいかに管理しつつ研究に必要なサンプルやデータを収集するのかというところに始まり、そうして得たものをもとに解析を行って統合失調症を病型ではなくBiologicalに分類しようという試みやアルツハイマー型認知症のバイオマーカー同定の試みまで、未発表のCutting edgeなデータを含めて、お二人の先生にご講演いただきます。

精神疾患に興味をお持ちの方にとってのみならず、臨床と基礎の橋渡しの形についても実際的なお話をうかがえる大変貴重な機会です。In person限定の開催ですので是非会場まで足をお運びください!


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209 NIH金曜会 

講演会
 2023121日午後6時よりIn person限定
 @Building 37 4階カンファレンスルーム (Room #4041/4107)

演者
 石塚公子先生&Yukiko Y. Lema先生
 (ジョンズホプキンス大学医学部 統合失調症センター)

演題
 Deciphering novel mechanisms and biomarkers for
 neuropsychiatric disorders: multimodal studies with
 multiple tissue biopsies in a cross-disease,
 dimensional approach


懇親会
 午後8時ごろより 
 @Guapo's Restaurant (8130 Wisconsin Ave)
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(要旨)
統合失調症、双極性障害(双極性症)、その関連疾患はsevere mental illnessとして精神疾患の中でも特に医学的、科学的対象となるものだが、それらの有病率は総計で人口の5%を占めるコモンなものである。青年期に発症し長い経過をたどるものが多いため、その社会的負担は非常に大きい。発症メカニズムをターゲットとした薬剤は未だに開発されておらず、アンメットニーズの高い分野である。精神科遺伝学の分野では、新しいシークエンスのテクノロジーを使って全ゲノム的にリスク遺伝子を報告するが、それらは学術雑誌においては百科事典的な意味合いを持って出版されるも、これらは臨床診断名で分類した患者群を用いたものである。Severe mental illnessにおいては同一の診断名にあっても多面的で個人差が大きい病態の集まりであることから、これらの情報は必ずしも病理機構解明、薬剤の開発に直接的な恩恵をもたらしたとは言い難い。我々のセンターは診断名を超えて共通に介在する病態で疾患群を整理し、生検サンプルの活用を通して、病理機構解明と薬剤の開発を試みている。本プレゼテーションでは、このような橋渡し研究のベースとなる患者コホートを成功させるための基本的姿勢と実際的なストラテジー、生検サンプル、臨床データの収集についてまずお話しする。生検サンプルの中でもolfactory neuronal epitheliumの活用について発表する。この活用を通して進んでいる、統合失調症の病態生理解明のプロジェクトと、アルツハイマー病のバイオマーカープロジェクトについては、未発表のデータをご紹介する。