2022年2月10日木曜日

第184回金曜会のお知らせ

今回の演者は小田紘嗣先生です。


小田先生は小児科医のバックグラウンドをお持ちで、主に希少遺伝性リウマチ性疾患について研究を続けてこられました。
2016
年よりはNHGRIDaniel L. Kastnerのラボに所属され、各種形態の細胞死がどのように疾患にかかわるのかについて多角的に研究を行っておられます。
この春からドイツのケルン大学でPIになられるということで、NIHを離れられる前に講演いただくこととなりました。

今回は先生がなさってきた研究についてのお話に加え、ドイツでのポスト獲得にまつわるお話もいただく予定です。

多くの方のご参加をお待ちしております!

なお、参加登録をお済ませの方にのみ事前にミーティングのリンクをお送りいたしますので、2日前をめどにお早めに参加登録をよろしくお願いいたします(それ以後のご登録でも出来るだけ対処いたしますが、場合によっては対応が間に合わない可能性もございます)。


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184回オンライン金曜会

日時:2022218() 午後6(EST)より

演者:小田紘嗣先生(NHGRI)

希少遺伝性リウマチ性疾患を通して考える細胞死と炎症

参加登録いただいた方に講演会リンクを送信いたします★

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 講演要旨:
ストレス下において個体の恒常性を保つ目的で、細胞には自殺プログラムとしての細胞死経
路が存在する。近年、古典的細胞死経路である Apoptosis に加えて Necroptosis 、
Pyroptosis など様々な新規の炎症性細胞死が報告され、細胞死経路およびその恒常性
の破綻が生体に及ぼす影響が個体レベル・分子レベルで解明されてきている。しかし、これら
の細胞死研究のほぼ全てがマウスを代表とする動物モデルを用いて行われており、細胞死経
路の破綻がどのようにヒト疾患に寄与するかに関する直接的なエビデンスは存在しなかった。
我々はヒト希少遺伝性リウマチ性疾患である自己炎症性疾患およそ
2000 例において次世
代シークエンサーを用いた大規模遺伝学的解析を行い、 RIPK1 CRIA ( Lalaoui *,
Boyden*, Oda* et al., Nature, 2020) 、 SHARPIN 欠損症 (Oda et al., in
preparation) といった新規疾患概念を確立した。特に、我々は細胞死経路の破綻がこれ
ら患者の自己炎症に及ぼす影響を患者検体およびマウスモデルを用いて詳細に検討するとと
もに、研究結果から導かれた治療方針に基づいて患者の難治性炎症を完全に制御すること
ができた。本セミナーではこれらの成果について解説したい。
またこの春よりドイツで
PI として研究室を立ち上げるにあたり、アメリカとはまた異なる特徴を
持ったヨーロッパでの就職活動に関して、私個人の経験をお伝えしたい。




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