9月23日に行われます第190回金曜会のお知らせです。
講演会、懇親会ともにオンライン開催です。
今回の演者は国立精神・神経医療研究センター 病態生化学研究部 川内大輔先生です。
川内先生はアメリカ、St Jude小児研究病院 腫瘍生物学講座でポスドクを経験され、ドイツがん研究センターにてグループリーダーを務められた後、2019年より国立精神・神経医療研究センター 病態生化学研究部 細胞生化学研究室 室長として日本に帰国されました。
脳の発生学から小児脳腫瘍研究に携わっておられ、最近は疾患モデル研究に特に力を注がれています。
https://byosei-neuroscience-institute.ncnp.go.jp/kawauchi/
ぜひ多くの皆様にご参加いただけますことをお待ちしております。
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第190回 NIH金曜会
講演会:2022年9月23日午後8時(EDT)よりオンライン開催
Zoomにて
演者:川内大輔先生(国立精神・神経医療研究センター 病態生化学研究部)
演題:マウスモデルを用いた小児脳腫瘍の発がん機序の解明と治療標的分子の探索
懇親会:講演終了後よりオンライン開催
★オンライン参加リンクは申込者のみに送付いたします★
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(講演 要旨)
小児脳腫瘍は小児がんのうち最も致死率が高い疾患である。現在の治療法は外科的手術と放射線治療、化学療法の組み合わせによるものであるが、がんの個性に応じた癌細胞の増殖・進展の阻害がより効率的な治療法となりうると期待されている。言い換えると、がんの本態を理解するための基礎研究が新しいがん治療を拓くと考えられる。がんは遺伝子変異がもたらす疾患であることから、がんを分子レベルで理解する手がかりはがんゲノムの中に存在する。われわれの研究グループは、国際的な小児脳腫瘍ゲノムプロジェクトに参加した経験と脳神経発生学の研究背景をもとに、ゲノム編集技術を用いてヒト小児脳腫瘍に特徴的な遺伝子変異をマウス生体内の脳細胞に誘導し、腫瘍の形成過程を解析することで発がんを担う遺伝子変異と下流にあるがんシグナルを解明し、最終的には新しい治療標的を同定することを目標に研究を進めている。今回の発表では、代表的な小児脳腫瘍である上衣腫と髄芽腫において、マウスモデルの特徴を活かして同定したがんシグナルについての研究成果を紹介するとともに、マウスモデルを今後どのように活かすべきかについて将来の展望を議論したいと思う。
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