2024年2月21日水曜日

第214回金曜会のお知らせ

 214の演者はNCIでポスドクをされている大原悠紀先生です。このたび5年のNIH留学を終えて帰国されるに当たり、これまでの研究成果とラボでの様々な経験をお話しいただきます。

先生は膵臓癌をターゲットに遺伝子・タンパク質発現レベルの解析と代謝産物レベルの解析を組み合わせる事で、個々の癌を代謝パターンで分類する事を示され、今後のテーラーメード医療への足掛かりとなる成果を上げてこられました。2023-24年にハイレベルなジャーナルに3報を発表されてますが、その裏にはコロナ禍やボスの闘病と逝去など、様々な出来事があった様子です。大原先生のNCIにおける文字通りのサバイバル経験談、是非多くの皆様にお越しいただければと思います。

 

******************************************************************************

214回金曜回(202438日)

 

講演会:午後6時より

Building 374階カンファレンスルーム(Room 4041/4107

 

演者:大原悠紀先生(NCI

演題:オミクス解析による膵臓がんの代謝・分子サブタイプの誘導メカニズムの解明 〜閉鎖寸前のラボでのサバイバル〜

 

懇親会:午後8時ごろより、 ( Guapo's Restaurant, Bethesda)

************************************************************************************



2024年2月6日火曜日

第213回金曜会のお知らせ

今回の演者はNHLBIPIをされている明楽隆志先生です。先生には2021年のキャリアディベロップメントセミナーにおいてオンラインでお話をいただきましたが、今回はIn Personで先生の研究されておられます卵母細胞の分裂と哺乳類の種分化との関わりについてお話しいただく予定です。もちろん、現在のポジションを得られるまでのアメリカでの就職活動の経験談もお願いしています。これらに加え、アメリカ生活における明楽先生の様々な挑戦についてもお話しいただく予定です。

 

NIHの若手日本人PIの先生と交流できる貴重な機会でもありますので、ぜひ多くの皆様にお越しいただければと思います。

 

********************************************************

213回金曜会 2024223日(金)

 

講演会:午後6時(EST)より

Building 37, 4階カンファレンスルーム (Room #4041/4107)

 

演者: 明楽 隆志 先生(NHLBI

 

演題:細胞生物学で解き明かす哺乳類の種分化のメカニズム

 

懇親会:午後8時ごろより 

RockBottom Restaurant & Brewery (Bethesda)

********************************************************


要旨

生殖的隔離は、種分化に中心的な役割を果たす進化の原動力である。一般に、二つの個体群がそれぞれのゲノムに異なる変異を蓄積していくと、ゲノム間に遺伝的な不適合 (genetic incompatibility) が生じ、雑種が致死または不妊になる。これが二つの個体群の間で生殖的隔離が起きる仕組みである。例えば雑種が不妊の場合、減数分裂のプロセスに何らかの不適合が生じていると予測できる。しかし実際に減数分裂のどのステージでどのような遺伝子が不適合を起こしているのかは、明らかになっていないケースが多い。特にメスの減数分裂に注目した先行研究は無かった。そこで私達はマウスモデルを用いてこの謎に立ち向かい、雑種メス不妊が種分化に寄与するメカニズムを明らかにした。
当日は私達の研究内容に加え、9年間のアメリカ生活の間に経験した海外での就職活動、そして宇宙飛行士選抜への挑戦に関してもお話しできればと思っております。

略歴
2014年に東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻にて博士号を取得後、米国ペンシルベニア大学にて博士研究員として勤務。2019年に米国NIHにて研究室を立ち上げ、細胞分裂と進化の研究に明け暮れる。2022-2023年には宇宙飛行士選抜を受験。2024年は新しいモデル生物に挑戦する一年にしたい。