10月13日に開催予定の第205回金曜会のご案内です。
今回の演者はNICHDの石田森衛先生です。
石田先生は2016年より約7年間、NICHDのJuan S. Bonifacino labで研究されていましたが、11月の帰国にあたり、金曜会での講演を依頼しました。お話される主な内容は、石田先生が今年論文に発表された低分子量Gタンパク質ARF1のde novo変異の解析についてです(Ishida et
al., Hum. Mol. Genet., 2023)。また、論文にはなっていない研究の苦労話や裏話、アメリカ生活で感じたことなどもざっくばらんに話していただきます。
本金曜会はIn person開催となります。研究についてはもちろんですが、それ以外のことについても、気軽にゆっくりと話ができる良い機会になればいいなと思っております。
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第205回 NIH金曜会 セミナー
講演会:2023年10月13日(金)午後6時よりIn person開催
演者:石田森衛先生
演題:小児神経発達症から同定された低分子量Gタンパク質ARF1のde novo変異の解析
懇親会:講演終了後、Rockbottom(予定)にて
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(講演要旨)
演者は2016年の10⽉から現在まで、Juan S. Bonifacino博⼠の研究室において
Visiting Fellowとして働いてきました。当研究室は細胞内膜輸送の分⼦メカニズ
ムとその破綻によって引き起こされる神経障害について主に研究しています。今
回は携わったテーマの⼀つで今年論⽂発表された、⼩児神経発達症患者から⾒つ
かったARF1のde
novo変異の解析結果について、お話しさせてもらいます
(Ishida et al. Hum. Mol. Genet.
2023)。
低分⼦量Gタンパク質ARF1は真核⽣物の祖先(Last Eukaryotic Common
Ancestor) から存在するとされ、ゴルジ体からのタンパク質の選択的輸送におい
て、極めて重要で基本的な役割を果たしています。2018年頃にコラボ先のTyler
Mark Pierson博⼠から「担当している⼩児神経発達症患者のexome
sequenceの
結果、ARF1の保存された領域にde
novo変異(R99H)が⾒つかった」と報告を受
けました。ARF1は当研究室で古くから解析されている遺伝⼦の⼀つで、実験ツー
ルも豊富に揃っていたことから、早速解析に移りました。
当初の予測では、R99H変異により、ARF1の機能が損なわれ(loss-offunction)
、Haploinsufficiencyにより神経発達症が誘導されるのではないかと予
測していました。ところが解析したところ、結果は真逆で、R99H変異により
ARF1の機能が⼤幅に亢進し(hyperactivation)、機能獲得(gain-of-function)して
いる事が判明しました。実験結果とこれまでの報告結果とを総括し、ARF1-R99H
の機能獲得型変異により神経発達症が誘導されていると結論し、論⽂発表を⾏い
ました。
今回の発表では現在執筆中である続報研究や論⽂には現れない苦労話、裏話、
また7年間のアメリカ研究⽣活で感じたことを、ざっくばらんにお話しできればな
と思います。
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