今回の演者は東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科の菊池寛昭
菊池先生は2019年より4年間、NHLBIのMark A. Knepper labでポスドクされておられました。留学中はKnepper Labで確立された尿細管単離技術を用い、 代償性腎肥大のメカニズムを明らかにするためtranscrip tome, proteomeを含む幅広い解析を駆使して研究を進めて来られ ました。 未発表データの公開が出来ないため金曜会で講演いただく前に帰国 (本年4月より東京医科歯科大学にポストを得られ、帰国) されましたが、今回NIHでの研究内容がNature Communication誌に掲載されましたこと( Kikuchi et al. Nat. Commun., 24, 3481, 2023)を受け、 オンラインセミナーでご発表いただく運びとなりました。 講演ではコロナ閉鎖期間中にBioinformaticsの解析 を0から習得された経緯やジョブハントについてもお話しいただきます。
菊池先生は日本からご講演頂きますので、講演会・ 懇親会はonlineでの開催となります。
日本、アメリカから多くの皆様にご参加いただき、 お会いできるのを心よりお待ち申し上げます。
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第204回 NIH金曜会 セミナー
講演会:2023年8月25日(金) 午後7時よりonline開催(日本時間:8月26日(土) 午前8時より)
演者:菊池寛昭先生(東京医科歯科大学)
演題:マルチオミクス解析を用いた腎肥大メカニズムの解明
- NIHの研究環境と強力なコミュニティ-
懇親会:講演終了後引き続きZoomにて
講演 要旨
演者が2023年3⽉まで所属したMark A. Knepper博⼠の研究室は、世界で初めて尿細管単離の技術を確⽴させ(Methods Enzymol,1990)、NGS解析と併せた多くの研究を報告してきました。これまで、腎臓癌などの病気の治療のために腎臓の⼀部を切除すると、失われた機能を補うために残った腎臓が⼤きくなる事が知られていました。しかし、どのようなメカニズムで腎臓の肥⼤が起きるのか、腎臓のどの部位で肥⼤が起きるのかなどが明らかにされていませんでした。今回、尿細管単離の技術を⽤いて、代償性腎肥⼤が起きやすい尿細管の部位を特定し、単離尿細管を⽤いた網羅的解析を⽤いて腎肥⼤が起きるメカニズムを“unbiased(仮説フリー)”に同定しましたので、紹介させていただきます。(図)
研究の内容以外に、コロナ期間中にバイオインフォマティクスを0から習得した経緯、NIHの素晴らしい研究環境等を紹介させていただきたいと思います。強⼒なNIHコミュニティがどのように研究の進⾏に繋がったかも、⾃⾝の経験談を踏まえてお話しできたらと思います。
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