2012年4月26日木曜日

第38回金曜会のお知らせ


38回金曜会:2012511()

午後6時~730分:後藤 謙元先生
「視細胞の老化と眼疾患・そして予防~臨床と基礎研究の二足わらじを履いて~

場所:ビル372階セミナー室(Room2041/2107

懇親会
午後8時より、Rockbottom, Bethesda

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
後藤先生は金曜会の幹事をされていますが、この度京都大学眼科に戻られることになりました。先生が京都大学とNEIで取り組んできた網膜疾患に関する基礎研究のレビューと、これらの研究をMDが行うことの意義について、お話しいただけると思います。また、3年超のアメリカ生活の経験から、四季おりおりのイベント情報の効率のよい探し方をお話いただけるとのことなので、新しくNIHにいらっしゃった方にもお勧めいたします。

参加ご希望の方は、57日(月)までに金曜会管理メール(第38回担当:本間)までご連絡をお願いいたします。

多くの方のご参加を幹事一同、心よりお待ち致しております。

























(要旨)
ヒトは外界からの刺激のうち、90%を視覚から得ていると言われています。視覚刺激を最初につくるのは網膜です。網膜を構成する細胞は、中枢神経由来の細胞と一部共通の性質をもちながらアクセスが容易で比較的丈夫なこともあり、生理・発生や再生の研究材料として基礎研究者を魅了してきました。一方、眼の病気になる方はたいへん多く、基幹病院の科別受診者数をみると眼科は上位5位に常に入ります。

  失明への対策・予防がもっとも重要な眼科研究のテーマであることは論を待ちません。失明の原因は時代とともに変遷してきており、現在では50歳以上で視機能の低下をおこす網膜疾患への取り組みが重要です。演者はこれまで高齢者の網膜疾患の臨床研究、基礎研究を中心に携わってきました。研究の方向は、二人のメンター、京都大学眼科の吉村長久教授、NEIAnand Swaroop, PhDにより決めていただいてきました。その過程で、臨床研究と基礎研究の融合は伝統の中でしか開花し得ない、という強い信念をもつようになり、いかに組織に貢献するかということを常に考えています。

  講演では、京都大学眼科で行った研究とNIHで行った研究の両方を取り上げたいと思います。まず京都大学で、ゲノム医学センターの先生方に支えられて立ち上げた、加齢黄斑変性・変性近視に対する全ゲノム相関研究についてお話したいと思います。これは現在「ながはまプロジェクト」という0次コホートにつながっています。次の話題として、近年、眼科では網膜光断層計というイメージング方法が進歩し、患者の視細胞の数・形態まで判別できる解像度が実現されています。第三次世代の断層計の開発に、筑波大学理工学群や京都大学眼科の板谷正紀准教授などのもとで居合わせることができた経験をもとに、器械の開発が眼科臨床・基礎研究に与えるインパクトについて、お話をしたいと思います。次に、NIHでの三年間の研究で得られた、マウス桿体細胞の老化に伴う遺伝子発現の変化について、次世代シークエンサー・エクソンアレイを用いた解析結果の一部と、それを裏付ける生理学的実験、予防につながる実験についてお話したいと思います。最後に、帰国後京都大学眼科で立ち上げる病的近視の研究のプランについてプレゼンテーションし、金曜会のかたがたからsuggestion を得たいと考えております。

演者は3年超をNIHで過ごさせていただきましたが、週末を中心によく近郊に出かけました。最後の20分あまりを、各季節の観光情報のご紹介・週末イベントの効率のよい探し方にあてさせていただきたいと思います。いろいろな家族構成・在米期間の方がいらっしゃいますが、主にいらっしゃって1年未満の方が訪れて楽しい場所をご紹介できたらよいと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿